2016年5月19日木曜日

Mock Orange

 9年ぶりに会ったアメリカの友達は良い感じに見た目も変わっていて(それは僕らもそうなんだろうけど)、それでも数杯ビールを飲んだら、ああ、そういえばこんな感じだったな…とコミュニケーションの感覚を取り戻していく。これが例えば日本の学生時代の友人だったら、雰囲気や言葉遣いとその行間に様々なものを読み取れる分、時の流れとお互いの変化を必要以上に感じてしまうかもしれない。拙い英語によって大雑把になりがち、だけど何を言っているのかちゃんと理解しようとする会話には、そういった余計な洞察を挟む余裕がないから、シンプルかつ温かなコミュニケーションが取れたりする。

マイペースに活動を続ける彼らの音楽はゆっくりと変化しており、その最新型を生で観れたことは素晴らしい思い出の一つになるだろう。頻繁に会えるわけではないアメリカの兄弟達と、悔いのない杯を交わしたいと思っている。


2016年5月15日日曜日

KARAOKE

 10代後半から20歳くらいまでは、カラオケという行為が自分の遊興リストに入っていたが、バンドを始めてからは年に一度行くか行かないかという程度に遠ざかっていた。しかし30を過ぎた頃、荒井のいとこであるDという男と時々飲むようになってから、二次会でカラオケへ行き、上半身裸の泥酔した野郎たちで90年代のポップスを朝まで合唱し続けるという遊びを覚え、一昨年くらいまでは季節に一度、そんな飲み方をする日があった。それぞれの生活が忙しくなり、そんな馬鹿をすることも徐々になくなってきたが、思えばあれが人生の晩夏だったのかもしれないな、とたまに思うことがある。かと思えば最近になってオールナイトのDJをする機会が増えてきて、月の朝帰りの回数は今の方が多くなった。終わるように見えた夏の、残暑はまだまだ続くようだ。